村上春樹の新作は短編小説集「女のいない男たち」。
発売してからしばらく経つが、ようやく読了した。
短編集という形態自体珍しいが、タイトルもまた不思議。
村上春樹らしさは失われていないが、独特の筆致とテーマが執拗に書かれている印象が短編だけにより濃くなるかもしれない。村上文学に親しんでいない人にとっては違和感を生じると思う。

彼らに女がいなかったわけではない。
様々な形で失われてしまったのだ。

テーマの深層は「木野」で語られているのではないだろうか。

「欠けてしまった」何か。

それは私たち一人ひとりにももちろんあるだろう。


その間隙を縫って「蛇」は忍び寄ってくる。
それは決してマイナスとは限らないのかもしれない。
「両義的」なものなのだ。

そして私たちは確かに傷つきながら生きていくしかないのだ。
時にひとりで涙しながら。


女のいない男たち
村上 春樹
文藝春秋
2014-04-18