読書コミュニティ "ブクナビサロン"

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    結通信編集部

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    夏休みも残りわずか。
    社会人は束の間のお盆休みもこれで終わりです。
    みなさんはこの夏、本を読みましたか?

    島田祥輔氏が選ぶサイエンス書籍、興味深いのでブログを紹介させていただきます。
    http://shimasho.blog.jp/archives/51935908.html

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    村上春樹の新作は短編小説集「女のいない男たち」。
    発売してからしばらく経つが、ようやく読了した。
    短編集という形態自体珍しいが、タイトルもまた不思議。
    村上春樹らしさは失われていないが、独特の筆致とテーマが執拗に書かれている印象が短編だけにより濃くなるかもしれない。村上文学に親しんでいない人にとっては違和感を生じると思う。

    彼らに女がいなかったわけではない。
    様々な形で失われてしまったのだ。

    テーマの深層は「木野」で語られているのではないだろうか。

    「欠けてしまった」何か。

    それは私たち一人ひとりにももちろんあるだろう。


    その間隙を縫って「蛇」は忍び寄ってくる。
    それは決してマイナスとは限らないのかもしれない。
    「両義的」なものなのだ。

    そして私たちは確かに傷つきながら生きていくしかないのだ。
    時にひとりで涙しながら。


    女のいない男たち
    村上 春樹
    文藝春秋
    2014-04-18

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    side-Aとside-Bから構成されている。

    一卵性双生児の姉かすみとの偶然の出会い、そして妹のゆかりとの出会いから「僕」の物語は紡がれていく。一卵性双生児ゆえにすべての面において似通ってしまうふたりだが、かすみは「アイデンティティーの喪失」に怯えていた。
    ゆかりの愛した尾崎に抱いた激しくもかなわぬ恋。その狭間で「僕」は六年前に死んだ恋人水穂への思いが氷解しきれないやりきれなさを抱えながら、二人の運命の歯車に巻き込まれていく。―水穂への愛は本物だったのか。
    あくまでドライな「僕」はかすみへの想いとともに変化していく。
    sideBは驚きの冒頭から一気に読んでしまった。

    設定は比較的安易であり、ステレオタイプであるといえそうだが、"個のアイデンティティー"というテーマの中にはある種の悲哀すら感じるリアルさがあり、感慨深かった。
    結局は"自分とは何か"を不断に問い続けるしかなさそうではあるが...。

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    46歳の誕生日、中年夫婦の不和から妻が家出する顛末を描いた作品。
    ある意味では突拍子のない展開に驚きを禁じ得ないのだが、あるいは”事実は小説より奇なり”で、こんなこともあるのかもしれない。

    ”家族””会社””学校”という均衡に保たれている日常の崩壊は、もしかしたらちょっとしたことで起きるのかもしれない。
    しかし、環境を変えてもその人間の本質はそうそう変わるものでもない。

    この作品では人間の、誰もが持っている醜い部分がふんだんに散りばめられている。無神経な物言い、騙し、女性関係、仲間内の噂…。感受性の高い読者なら耳が痛いことも多いだろう。

    とにかく、遠くへ荒野を走る。
    果たして、そんなことは可能だろうか。

    私たちは果てしない荒野の向こうに何を見るのだろうか。

    だから荒野
    桐野 夏生
    毎日新聞社
    2013-10-08

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    日本初となるオンライン生命保険、「ライフネット生命」はもちろん知っています。旧態依然として不透明な経営を続ける生保業界に風穴を開けるべく、インターネットベースの生保会社を立ち上げたことは大変興味深く思っていました。
    その共同創業者にして代表取締役副社長岩瀬大輔氏による著書は読み始めると一気に読んでしまいました。
    好きな作家の小説と同じく、読後には爽快感があり、やはり何かが違うのかもしれないと思います。

    ネットで生保を売ろう!

     
    岩瀬 大輔
    文藝春秋
    2011-03-24

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