読書コミュニティ "ブクナビサロン"

名古屋にあるブクナビサロンPassion Portの公式ブログ。 本に纏わる話題やツールの紹介、書評を書いていきます。 相互RSSの提携も募集しています。 webサイト http://www.book-navi.net/

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    わかっちゃいるけど本を読めない。
    そんな俺たちでも1ヶ月に1回、みんなで読むならきっと読める!
    「日本で一番ユルい読書会」改め、「俺たちの読書会」です。


    ファシリテーター:カルナック
    参加者:まつ・Yas (敬称略)

    まさかの雪が舞う中の開催となりました。

    「俺たちの読書会」第6弾は『男は一生、好きなことをやれ!』(里中李生著)。




    選書理由のひとつにはファシリテーターである私(カルナック)が人生の転機ごとに「自分の好きなことをやっているか」と問われたことがある。
    第1章第1節はずばり「今の仕事は好きか?」だ。
    自分は正直わからない。

    社会人になってからは家業とその周辺分野をひたすらやってきたが、決して得意分野ではない。なるほど、嫌いではないし、好きと言えるくらいに馴染んでいるが、苦手であることにはちがいない。自分の土俵、と呼ぶにはさらに精進しなければならないだろう。
    本当に好きなことをやっていた大学時代の研究とはまるで畑違いだが、「苦手なことを頑張るな」という本書の思し召しどおりにはいかない。

    今回の参加者マツさん、Yasさんにも訊いてみた。
    それとともに結局は身の上話に花を咲かせることになったのだが…。

    印象に残った言葉として、マツさんは「それでも一発を狙えるか」、Yasさんは「必ず自分できっかけをつかむ」を選んだ。

    人生のターニングポイントとして筆者は30歳と50歳を挙げる。
    ピッタリではないにせよ、結婚・出産・転職・子供の独り立ちなど様々な局面を迎えるはずである。

    その時々、どのような気持ちで臨めばよいのか、少なからず示唆に富んだ本だったと思う。

    次回は精度の高いディスカッションに期待したい(笑)。

    次回の開催予定は4月14日(火)です。
    気軽に参加してください☆

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    わかっちゃいるけど本を読めない。
    そんな俺たちでも1ヶ月に1回、みんなで読むならきっと読める!
    「日本で一番ユルい読書会」改め、「俺たちの読書会」です。


    今回ファシリテーターはカルナックが務めさせていただきました。

    今回の課題本は京セラを創業し、JALを復活させた名経営者稲盛氏の『成功の要諦』。
    推薦したお二方が欠席するというアクシデントに見舞われましたが、たぶん今までで一番ゆるくて濃い時間になったように思います(笑)

    成功の要諦
    稲盛和夫
    致知出版社
    2014-11-25



    講義録といってよく、非常に読みやすい内容になっています。
    硬い語り口が好きな方にはかえって物足りないかもしれません。

    何かを始めるのであれば、やはり成功したいもの。
    人間の飽くなき欲求です。しかし、筆者は「自分自身のエゴを源にして出た思いだった場合には、一時的な成功はしても永続的な成功はしない」と説きます。

    そこでまずひとつめの論題は…。

    1.自分にとっての成功とは?

    この問いは「人生の目的」や「自分の好きなこと」を問うのに近いのかもしれません。
    生まれ育った環境は受動的なものですが、今置かれている環境を形作っていくのは自分自身においてほかにありません。

    自分は「事業を続けていくこと」。このことが宿命です。

    まつさんは「楽して儲ける」。…究極ですね!!

    次に。

    2.そのために何に取り組んでいきますか?

    自分はエネルギー事業に関わる新規事業を立ち上げること。
    まつさんは今あるもの以外の仕事の柱を作る。

    実はふたりとも現状に行き詰まりを感じている点では似ているように思いました。
    事態が好転すれば笑って振り返ることもできるでしょうが、その真っ只中にあってはつらいものですね。
    だからこそ、こうした先人の教えを読んで自問しながら前へ進んでいくことが大切だと思いました。

    こうしたテーマではこんな本も参考になるのかもしれません。







    次回は3月10日(火)です。
    読書会メンバーは随時募集しています。気軽にご参加くださいね!!

    課題本は決まり次第、ご連絡します♪

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    詩情豊かな作品を好む自分からすると、ずいぶん破天荒な作風にまずはびっくりした。

    本作は新人作家武田久生氏の処女作で、「月光町ブルース」と「ホラ吹き松吉」の2作品から構成される。
    会話文には豊富な知識が投入され、世界観により厚みを与えている印象。
    「ホラ吹き松吉」ではいくつかの視点の中に「ユウ坊」の存在が大きくなっているが、そうした視点に作者の経験や思いが投影されているのだろう。
    アジア諸国を放浪したことがあるという作者ならではの奇想天外な展開は、読者をも不思議の国へ旅立たせてくれるはず。

    献本ありがとうございました。


    月光町ブルース
    武田久生
    リトル・ガリヴァー社
    2013-10-31

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    芥川賞作家・金原ひとみの作品「オートフィクション」です。
    人と人とのつながりを少し違った視点から見つめ直す】時に、もしかするとヒントを得られるかもしれない作品です。

    相変わらずの作風でした。
    性と暴力と、そして狂気。
    安易な言葉で片付ける気はありませんが、基本はこの三拍子でしょうか。
    初めて読む人には斬新でしょうが、慣れてくるとちょっとした文章の緩みに飽きを感じてしまったりもしますが。斬新なのか、単に文学作品としての気品が欠けているのか、なかなか受け入れにくい人もいるかと思います。

    「何ですか?オートフィクションって」
    「一言で言えば、自伝的創作ですね。つまり、これは著作の自伝なんじゃないか、と読者に思わせるような小説です」


    主人公は22歳の女流作家リンだ。「彼」とのハネムーンのシーンから始まり、作中で編集者と上記のような会話がある。
    作中に本の(構造的な)ねらいに迫る会話を挿入するのはなんだかユニークな気もしますが、本書は22歳、18歳、16歳、15歳と遡る形で進行していく。

    話を中心は常に"男"であり、それは"甘酸っぱい恋"とは程遠い"依存"だ。冒頭から過激な被害妄想が炸裂しているが、絶えず誰かに依存している主人公は痛々しくもあり、また一方でどこかに自分を見ることもあるだろう。
    人は一人じゃ生きてはいけない-そんに陳腐なテーマは願い下げだろうが、それでも人は何かに依存したり、あるいは依存されることでしか自分を保っていけないときがある。そうでなければ「破綻」するからだろう。"アイデンティティの喪失"とでもいうのかな。

    それは国だろうか。家族だろうか。恋人だろうか。友達だろうか。
    信じては裏切られ、それでも何かを信じないと生きてはいけない。

    一般的に人と人との関係が希薄になったといわれる時代で、リンの苦しみは(僕自身とはずいぶん価値観がかけ離れているものの)すごくリアリティがあるように思う。
    「実体験」かそれに近しいものもいくつか含まれているとは思うけど、そうでないのが多いように思いますけどね。インタビューでは「逆手に取ってみたい」と書いてますしね。

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